目次

サイバーセキュリティの重要性が増す中、エンドポイントセキュリティのソリューションとしてEDR(Endpoint Detection and Response)が注目されています。


この記事では、EDRについて詳しく解説し、効果的な脅威対策を実現する方法をご紹介します。


まずは、EDRの基本概念と背景を説明し、次に従来のエンドポイントセキュリティ(EPP)との違いや、EDRの活用ポイントについて解説します。


さらに、EDRの機能や利用シーンを紹介し、企業が取り組むサイバーセキュリティの強化策を見ていきます。


最後に、EDRを選ぶ際のポイントや導入・運用のコストを考慮し、適切な投資判断を行うための情報と、具体的なサービスについて紹介します。

1.EDRとは何か?|サイバーセキュリティの最前線

EDR(Endpoint Detection and Response)は、エンドポイントセキュリティの一種で、企業のデバイスやネットワークを様々な脅威や攻撃から保護するためのシステムです。

具体的には、エンドポイント(PCやスマホなど)でのセキュリティインシデントをリアルタイムに検知し、迅速な対策を講じることができる機能を提供します。


従来のウイルス対策ソフトに比べて、高度な脅威への対応が可能で、最小限の被害で事態を収束させることが期待されます。


初心者の方にも分かりやすく言えば、EDRは企業のITシステムを守るための強化された防衛システムと言えるでしょう。

1-1.EDR(Endpoint Detection and Response)の基本概念

EDRの基本概念は、エンドポイント上で発生するセキュリティインシデントをリアルタイムに検出し、適切な対応や分析を行うことです。

具体的な機能としては以下のようなものが挙げられます。

  • 高度な脅威検知:次世代ウイルスや未知のマルウェアに対しても、疑わしい挙動や通信を検出し、感染や侵入を防ぐ
  • 迅速な対応:インシデントが発生した場合、自動的に対処方法を提案し、管理者が迅速に対応できるよう支援
  • 分析・調査:インシデントの原因や拡大状況を調査し、未来の脅威に対する対策を検討するためのデータ収集
  • 継続的な監視:状況に応じてリアルタイムや定期的にエンドポイントの状態をチェックし、常に最適なセキュリティ状況を維持


これらの機能により、従来のセキュリティソリューションでは対応が難しかった高度な攻撃や未知の脅威にも対処可能となり、企業の情報資産や業務を守ることができます。

また、運用面でも管理者の負担軽減や効率向上が期待できるため、EDRは現在のサイバーセキュリティ対策において非常に重要な役割を担っています。

1-2.EDRが注目される背景とは

近年、サイバー攻撃や脅威が複雑化し、従来のエンドポイントセキュリティでは対応しきれなくなっています。そのため、EDR (Endpoint Detection and Response) の導入が企業において必要性が高まっている状況です。

理由の一つは、マルウェアやウイルスの進化により、従来の検知手法では攻撃や侵入を見逃すことがあります。


EDRは、高度な検知機能や迅速な対処が可能であり、企業のビジネス環境を守る上で重要なポイントとなっています。


また、クラウドサービスの普及に伴い、データの保護や管理が難しくなっているため、EDRはセキュリティ対策の強化に役立ちます。


エンドポイントセキュリティにおいて、EDRはリアルタイムで監視や分析ができ、リモートワークやテレワークの環境においても効果的な対策が可能です。


さらに、AI機械学習を活用した自動解析や不審な挙動の検出が可能になり、企業のIT担当者にとって、EDRは重要な分析ツールとしても活用されています。これにより、未知の脅威や攻撃にも迅速に対応できるようになります。


以上の理由から、EDRが注目される背景が明確となり、企業のエンドポイントセキュリティ対策において重要な存在となっています。

※イメージとしては以下の図の通りです。エンドポイントセキュリティ対策はエンドポイントの脅威をリアルタイムで検出・対応するEDR(Endpoint Detection and Response)や、ネットワーク全体を監視・保護するUTM(※)などのセキュリティソリューションを活用して、デバイスとネットワークを包括的に守る手法です。

図表参照元:令和4年度中小企業等に対する サイバー攻撃の実態調査 調査実施報告書

図表参照元:令和4年度中小企業等に対する サイバー攻撃の実態調査 調査実施報告書



※UTM(Unified Threat Management)は、複数のセキュリティ機能を統合した一体型のセキュリティソリューションです。機能としてはファイアウォール、ウイルス対策、侵入検知・防止システム(IDS/IPS)、VPN(仮想プライベートネットワーク)、スパム対策等を含みます。

1-3.EDRは“運用”も重要

セキュリティソリューションは運用”も重要です。

例えば、EDRを例にすれば、単に導入するだけではなく、適切な運用によって初めて、EDRの真の価値が発揮されます。
通常のPC運用とセキュリティ運用が融合することで、企業の運用はより複雑化しますが、これを効率的に管理し、セキュリティインシデントへの迅速な対応を可能にするのがEDRの強みです。

具体的な運用サービスとしては、以下のようなサービスが考えられます。

  • リアルタイム監視:EDRシステムを24時間365日監視し、不審な挙動や脅威を即座に検出
  • 専門家による分析:検出された脅威は、当社のセキュリティ専門家によって分析され、適切な対応策が講じられる
  • 運用の自動化:ルーチンタスクを自動化し、IT担当者の負担を軽減する
  • カスタマイズされたレポーティング:お客様のニーズに合わせカスタマイズされたレポートを提供し、運用の透明性を高める

これらのサービスにより、お客様は日々の運用の複雑さから解放され、ビジネスに集中することができます。
また、セキュリティインシデントが発生した場合でも、迅速かつ効果的に対応することで、被害を最小限に抑えることが可能です。
適切な運用を通して、安全で信頼性の高いIT環境を実現しましょう。

※クエストは、EDRの導入支援に加え、複雑化する運用についてもサポートをしております。

2.エンドポイントセキュリティの進化:EPPからEDRへ

エンドポイントセキュリティの進化は、従来のEPP (Endpoint Protection Platform) からEDR (Endpoint Detection and Response) へとシフトしています。

EPPは、ウイルスやマルウェアの検出や防御を行いますが、最近では新たな脅威や攻撃に対応できなくなっています。


一方のEDRは、従来のエンドポイントセキュリティのソリューション機能に加えて、高度な検知機能や対策が実現されています。これにより、スピーディな対応や迅速な対処が可能で、適切なセキュリティ対策が行えます。


EDRの具体的な機能としては、リアルタイムの監視と分析、エンドポイントの不審な挙動や通信の検出、自動調査や解析、インシデント対応やサポートなどが挙げられます。


さらに、EDRはクラウドやオンプレミスの環境に対応し、リモートワークやテレワークの状況下でも、適切なセキュリティ対策が行える。これにより、企業のITインフラを保護し、ビジネスを安全に運用することが可能です。


そのため、エンドポイントセキュリティの進化に伴い、企業は従来のEPPに加えて、EDRを組み合わせた統合的なセキュリティ対策を行うことが理想だといえます。

2-1.EDRと、従来のEPP(Endpoint Protection Platform)の違い

従来のEPPは、主にウイルス対策を中心とした機能に焦点を当てており、既知の脅威に対して効果的な防御手段を提供していました。

しかし、現代のサイバー攻撃は、ウイルスだけでなく、マルウェアやランサムウェアなどの未知の脅威も増加しています。これに対応するために、EDR(Endpoint Detection and Response)が登場しました。


EDRは、エンドポイントセキュリティに重点を置き、従来のソリューションでは不十分な対策を補完し、リアルタイムでの脅威検知と対応が可能です。


具体的には、以下のような点でEPPとは異なります。


自動化とリモート対処
:EPPと異なり、EDRは検知から対策までの一連のプロセスを自動化し、迅速にリモートで対処ができる機能がある

リアルタイム監視と検出:EPPと異なり、EDRはネットワーク内のすべてのエンドポイントをリアルタイムで監視し、不審な挙動や外部からの侵入を検出するため、状況分析や対応にかかる時間の短縮を実現

高度な検出機能:EPPと異なり、EDRは従来のウイルス定義ファイルを利用した検出ではなく、AIや機械学習を活用して、未知の脅威や新しい攻撃手法にも迅速に対応できる高度な機能がある

リアルタイム対応とインシデント調査:EPPと異なり、EDRはセキュリティ管理者が被害を最小限に抑えるために、リアルタイムでの対応やインシデント調査が可能

効率的なデータ分析と検証:EPPと異なり、EDRはデータ分析や検証が容易であり、セキュリティ運用の効率化を図ることができる


※参考記事:EDRとEPPの違いとは?最新のエンドポイントセキュリティ対策を徹底解説

3.EDRの機能と利用シーン|迅速な脅威検知と対処が可能

3-1.EDRの主要機能:リアルタイム監視、自動解析

EDRの主要機能であるリアルタイム監視と自動解析により、エンドポイントのセキュリティ対策が大幅に向上します。これらの機能について、根拠や具体例とともにまとめます。


まず、リアルタイム監視は、エンドポイントデバイスでのアクティビティを常に追跡し、不審な挙動や既知・未知の脅威を検出することができます。これにより、脅威が発生するとすぐに対応が可能となり、ネットワーク内への侵入やデータ漏えいを防ぐことができます。


次に、自動解析は、検出された脅威や不審な挙動に対して、適切な対策を素早く実行します。具体的には、AIや高度なアルゴリズムを用いて、脅威の挙動を解析し、適切な対応策を選択・実行します。この自動解析機能により、運用担当者の手間が軽減され、被害の最小限化が実現されます。


以上の機能により、EDRは従来のセキュリティソリューションに比べて優れた検知・対処能力を持ち、企業のセキュリティをより強固に保護することができます。

※図版の出典元:国内シェアN0.1 EDRはCybereason(サイバーリーズン)-Cybereason EDR 侵入後の攻撃を振る舞いで検知する次世代エンドポイントセキュリティ「EDR」-の説明図

3-2.EDRの具体的な利用シーン

EDR(Endpoint Detection and Response)は、エンドポイントセキュリティを強化するために企業が導入すべき重要なソリューションです。

具体的な利用シーンは以下の通りです。

  • 不審な通信やマルウェアの検知:EDRは、リアルタイムでネットワーク上の通信やエンドポイント(PCやデバイス)を監視し、不審な通信やマルウェアの検出・通知を行います。

  • 侵入後の被害分析・対処:もし攻撃が成功しても、EDRは攻撃の挙動や状況を迅速に把握し、被害を最小限に抑える対策を行います。また、解析結果を基にして、将来の脅威に対する防御体制を強化することができます。

  • 高度な脅威検出:EDRは、既知のウイルスや攻撃手法だけでなく、未知の脅威や外部からの侵入を検出する能力があります。AIや機械学習を活用して、高度な検出機能が提供されています。

  • インシデント対応の効率化:EDRは、インシデント発生時の調査や対応を迅速に行うためのツールや情報を提供します。これにより、運用担当者は迅速かつ効果的な対処が可能となります。

  • 遠隔対応・サポート:EDRは、リモートワークや在宅勤務が普及する中、遠隔地にあるエンドポイントのセキュリティ対策もサポートします。遠隔での対応や調査が容易になるため、企業の業務効率が向上します。


以上のような利用シーンにおいて、EDRは企業のサイバーセキュリティ強化に貢献します。

4.EDR導入事例|企業が取り組むサイバーセキュリティの強化策

EDRは、多くの企業がサイバーセキュリティを強化するために導入しています。以下に、具体的なEDR導入事例を紹介します。

4-1.領域別のEDR導入事例

  • 金融機関:銀行や証券会社などの金融機関は、お客様の個人情報や資産を守るため、最高レベルのセキュリティ対策が求められます。EDRを導入することで、リアルタイムでの脅威検出や不正アクセス対策を強化し、お客様の信頼を維持することができます。

  • 製造業:製造業においては、生産ラインの停止や製品情報の漏洩による損害が甚大です。EDRを活用することで、工場内のネットワークや端末を監視し、サイバー攻撃から生産設備を守ることができます。

  • サービス業:サービス業では、顧客データの漏洩やシステムダウンによる業務停滞が大きなリスクとなります。EDRを導入することで、サービスの提供に必要なシステムやデータセンターの安全性を確保し、サービスの継続性を保ちます。

  • 政府・公共機関:政府や公共機関では、国民の個人情報や機密情報を保護する責任があります。EDRを導入することで、高度な脅威検出や対策が可能となり、情報の安全性と信頼性を維持します。

  • エンタープライズ:大企業やグループ会社では、多様な業務やシステムが連携しており、セキュリティ対策が複雑化しています。EDRの導入により、組織全体にわたる効率的なセキュリティ対策を実現し、ビジネスの持続性を保護します。


以上のような事例からもわかるように、EDRは企業が取り組むサイバーセキュリティの強化策に重要な役割を果たしています。

4-2.小規模企業向けEDR導入事例

小規模企業でもセキュリティ対策は重要です。EDR(Endpoint Detection and Response)の導入が必要とされています。小規模企業の場合、限られたリソースの中で迅速かつ効果的な対応が求められます。

ある小規模企業は、従来のウイルス対策だけでは不十分と判断し、EDRソリューションを導入しました。これにより、エンドポイントセキュリティの強化を実現し、検知力を向上させています。


具体的には、EDRソリューションによってリアルタイムでの不審な挙動の検出が可能となり、未知の脅威にも迅速に対応できます。また、AIを活用した分析機能が検知した脅威を自動的に解析し、適切な対応策を提供します。これによりシステム管理者の負担が軽減されています。


EDR導入後、同企業はサイバー攻撃に対する防御力が向上し、侵入をいち早く検出し被害を最小限に抑えることができました。また、運用の効率化にもつながり、IT担当者が他の業務に注力できるようになりました。


このように、小規模企業でもEDRの導入は業務効率とセキュリティの向上に大きく貢献し、ビジネスの安定した運営に寄与します。

4-3.大企業向けEDR導入事例

大企業も同様にEDRの導入が重要となりますが、規模が大きくなるほど複雑なIT環境が増え、適切な対策も必要となります。

ある大手企業では、組織全体のセキュリティポリシーを統一するために、エンドポイントセキュリティを包括的に管理するEDRソリューションを導入しました。これにより、エンドポイントに関わる様々な脅威への対策が一元化され、効果的な防御が可能となりました。


具体例として、大企業のネットワークは外部からの攻撃や内部での誤操作にも対応し、高度な検知機能を持つEDRが導入されました。また、既知のウイルスやマルウェアだけでなく、未知の脅威に対してもリアルタイムで検出し対処することができます。


さらに、大企業では導入するデバイス数が多く、運用上の負荷がかかることが想定されるため、EDRソリューションではリモート管理機能や自動対処機能を活用し、運用の効率化が図られています。


以上の事例からも分かるように、大企業においてもEDRの導入はエンドポイントセキュリティの強化及び業務効率化に大きく寄与し、組織全体のセキュリティを向上させます。

エンドポイントセキュリティのイメージ画像

5.EDRを選ぶ際のポイント|適切な製品・サービスの選定

EDR(Endpoint Detection and Response)の導入は、企業にとって重要なセキュリティ対策となっています。適切な製品・サービスを選定するための5つのポイントは以下の通りです。

    5-1.EDRの5つの選定ポイント

    1. 機能と性能

      EDRソリューションは、エンドポイントセキュリティを強化するため、最低限の機能を提供する必要があります。これには、マルウェア検知、侵入検出、脅威分析などが含まれます。また、高度な検出技術やAIを活用した対策が、より効果的な選択肢となります。

    2. 運用と管理

      EDRソリューションは、運用と管理が容易であることが望ましいです。管理者にとって分かりやすいダッシュボードや自動化されたレポート機能があると、効率的な運用が期待できます。

    3. サポートとサービス

      適切なEDR製品は、導入後にもサポート体制が整っていることが重要です。リアルタイムでのサポートやトラブルシューティング、定期的なアップデートが提供されていることが望ましいです。

    4. 価格とコストパフォーマンス

      製品の価格とコストパフォーマンスを検討することも重要です。企業の規模や運用環境に応じて、最適なプランを選ぶことが求められます。

    5. 柔軟性と拡張性

      企業の状況やニーズが変化することを考慮し、柔軟な拡張性を持った製品を選ぶことが望ましいです。これにより、将来的な追加機能の導入やプラン変更が容易にできるようになります。


    以上のポイントを考慮し、EDRソリューション選定の際には、製品ごとの特性や実績を比較検討することで、適切な製品・サービスを選ぶことが可能になります。

    5-2.EDR製品の比較:Cybereason、Microsoftなど

    主なEDR製品は、「Cybereason」、「Microsoft Defender ATP」、「TrendMicro」などです。


    それぞれの製品の特徴を比較し、最適なものを選定しましょう。

    Cybereason

    ※図版の出典元:ソリューション:Cybereason EDR「攻撃の進行を直感的に視覚化、即時対応を実現」

    Microsoft Defender ATP

    • Windows環境に特化したセキュリティ対策
    • Microsoft製品との連携が容易
    • リーズナブルな価格で導入可能

    TrendMicro

    • マルウェアの検出・駆除機能の評価が高い
    • セキュリティとパフォーマンスのバランスが良い
    • 豊富なサポート体制とサービス

    各EDR製品の特徴を比較し、企業のニーズや環境に最適なソリューションを選定することが重要です。
    これにより、セキュリティ対策の強化やITインフラの効率的な運用が可能となります。

    ※おすすめサービス:クエスト『エンドポイントセキュリティ Cybereason EDR/MDR

    5-3.EDR導入の効果的な運用方法と注意点

    EDR(Endpoint Detection and Response)は、エンドポイントセキュリティを最新の脅威から保護するために、企業はEDR導入を検討することが重要です。効果的な運用方法と注意点を以下に詳述します。

    まず、EDR導入の効果的な運用方法です。

    • エンドポイントの状況をリアルタイムで監視し、不審な挙動や通信を迅速に検出する
    • データ分析機能を活用し、マルウェアや未知の脅威を検知する
    • AIや機械学習を利用して、高度な対策を実施する
    • インシデント管理機能を利用し、感染拡大を最小限に抑える
    • リモートでの対応や調査機能を利用し、遠隔地での対策を可能にする


    次に、EDR導入の注意点です。

    • ソリューション選定時、企業の業務や環境に適した製品を選ぶことが重要
    • EDR導入後も定期的なセキュリティ強化と運用改善を実施し、効果を最大限発揮させる
    • セキュリティポリシーを明確にし、従業員に周知させることで、組織全体のセキュリティ意識を向上させる
    • インシデント発生時に迅速な対応が求められるため、専門スタッフの教育や外部サポートとの連携を確立する
    • 収集されるログデータの管理や適切な保存期間を設定し、個人情報保護などの法令遵守に努める

    以上の運用方法と注意点を考慮して、EDRを導入し最適なセキュリティ対策を実現してください。

    6.EDR導入のコストとROI

    6-1.適切な投資判断を

    EDR導入のコストとROIを理解し、適切な投資判断を行うことが重要です。以下ではコストとROIについて解説します。

    EDR導入にかかるコスト

    • ライセンス費用:製品の購入価格や更新料など
    • インフラ費用:ハードウェアやネットワーク設備の費用
    • 導入支援費用:プロジェクトマネジメントや外部サポートの費用
    • 運用・管理費用:スタッフの教育費、人件費、メンテナンス費用など

    ROI(Return On Investment)

    • 被害の最小化:EDRは不正侵入やウイルス感染を迅速に検知・対処し、被害を最小限に抑えます。
    • インシデント対応の効率化:EDRは脅威の分析や対策を自動化・効率化し、人的リソースを節約できます。
    • 法令遵守やブランド信頼の維持:EDRは情報漏洩やサイバー攻撃への対応力を向上させ、企業の法令遵守や信用を確保します。


    EDR導入のコストとROIを総合的に検討し、適切な投資判断を行ってください。
    導入に関する課題やコストを先行して検討することで、無駄な投資や損失を防ぎ、企業のセキュリティ強化に貢献できます。

    6-2.導入費用と運用コストの概要

    導入費用には、EDR製品のライセンス料、環境構築や導入時の初期費用が含まれます。また、運用コストには、監視や管理、インシデント対応、製品アップデートなどが含まれることが一般的です。


    導入費用や運用コストは企業規模やEDR製品の選択、資源やスキルの有無、外部サービスの利用状況などによって大きく変動します。例えば、リモートでの運用を考慮する場合、クラウド型のEDRサービスが適しており、初期費用や管理コストが低いことが特徴です。また、独自のネットワーク環境を持つ企業は、オンプレミス型のEDRを選択することが可能ですが、導入費用や運用コストが高くなることが考えられます。

    費用対効果を最大限に高めるためには、自社のニーズやリソースを考慮し、適切なサポート体制を整えることが重要です。

    6-3.EDR導入のROI(投資収益率)に関する考察

    EDR導入に対するROIは、被害の最小限化やセキュリティ対策の迅速化による潜在的なリスクの削減や業務効率の向上に起因しています。具体的には、以下のポイントがROIに関わる要素です。

    • マルウェアやサイバー攻撃の検知と対応の迅速化で、被害額の軽減
    • セキュリティインシデントの発生率の低下と業務への影響低減
    • ITスタッフの負担軽減による人件費削減
    • 自動化やAI活用による効率向上


    適切なEDR製品の導入により、企業はセキュリティ対策の強化に成功し、投資収益率の向上が期待できます。
    しかし、ROIを適切に評価するためには、導入費用や運用コストと比較して、十分なリスク低減効果が見込めるかどうかを検討することが重要です。

    7.クエストの提供するエンドポイントセキュリティ・EDRソリューション

    クエストでは、CybereasonのEDR(Endpoint Detection and Response)やMDR(Managed Detection and Response)ソリューションをはじめとしたエンドポイントセキュリティ・EDRソリューションを提供しています。これらのソリューションは、AIによるリアルタイム検知と専門家による24時間体制の監視により、高度なサイバー攻撃への対応が可能です。

    具体的な解決策として、セキュリティイベントのリアルタイム分析と可視化を行い、社内外からのアクセスを厳密に制御してリスクを最小限に抑えます。さらに、悪意のあるソフトウェアやマルウェアに対して適切な防御対策を実施します。


    エンドポイントセキュリティに効果的なソリューションの一例としては、Cybereason、CrowdStrike、Trend Micro Apex One等があります。


    これらの製品を利用することで、お客様の各端末のエンドポイントセキュリティを強化し、通信の監視と制御を支援します。

    7-1.クエストの包括的なセキュリティ対策支援

    クエストは、エンドポイントセキュリティサービスに留まらず、お客様のセキュリティ対策を強化するため、包括的な「ゼロトラストセキュリティ」の構築を支援します。


    ゼロトラストセキュリティは、信頼するユーザーやデバイス、アプリケーションのみを許可することで、社内ネットワーク内のリスクを最小限に抑える取り組みです。クエストでは、このアプローチを用いてお客様のIT環境を守り、ビジネスの継続性と成長を支援します。

    ※経済産業省やIPA、金融庁をはじめ多くの企業が注目している「ゼロトラストセキュリティ」。注目される背景としては、テレワークや社外コラボレーションの普及、DX推進、クラウドサービスの利用拡大に伴うセキュリティリスクの増加が挙げられます。

    8.EDRの導入と運用におけるまとめ

    本記事では、EDR導入の費用対効果とROIに関する考察を行いました。導入費用と運用コストの概要では、企業の要件やリソースに応じたEDR製品の選択方法とコスト削減について述べ、EDR導入のROIに関する考察では、被害額の軽減や業務効率の向上を中心にROIに関わる要素を解説しました。

    最後に、EDR導入に関する次のアクションとして、自社のニーズやリソースを総合的に考慮した上で、最適なEDR製品の選択や導入計画の策定を進めることが求められます。この記事を参考に、セキュリティ対策の強化に向けた一歩を踏み出してください。

    8-1.記事全体のまとめ

    • 導入費用と運用コストの概要: 企業規模やEDR製品の選択、資源やスキルの有無によって変動し、費用対効果を最大限に高めるために適切なサポート体制が重要。
    • EDR導入のROI: 被害の最小限化やセキュリティ対策の迅速化などがROIに関わる要素であり、十分なリスク低減効果が見込めるかどうかを検討することが重要。
    • EDRの導入と運用におけるまとめ: 自社のニーズやリソースを総合的に考慮し、最適なEDR製品の選択や導入計画を進め、セキュリティ対策の強化に取り組むことが求められる


    クエストはお客様の各端末をエンドポイントセキュリティ(EDR)でマイクロセグメンテーション化し、通信の監視と制御を支援しています。

    ソリューションの一例として、クエストがパートナー契約を結ぶCybereason(サイバーリーズン)のEDR(Endpoint Detection and Response)およびMDR(Managed Detection and Response)ソリューションがあります。これらはAIによるリアルタイム検知と専門家による24/7監視で高度なサイバー攻撃に対応しており、包括的なエンドポイントセキュリティ対策を実現することができます。

    さらに、クエストではEDRだけに留まらず、包括的なセキュリティ対策を支援しておりますので、セキュリティでお困りのお客様は是非当社にご相談ください。