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「Microsoft 365で使えるアプリは、どれだろう?」
「どのプランを選べば、必要なアプリを使えるのか、わからない」
このような戸惑いを覚え、リサーチ中の方は多いのではないでしょうか。
Microsoft 365は、ビジネスにおいて不可欠なツールですが、種類やプランが多くあるため、使えるアプリがわかりづらくなっています。
この記事では、Microsoft 365の14個のプラン別に、使えるアプリを一覧としてまとめました。Microsoft 365のプラン選びの一助として、お役立てください。
※注:本記事の情報は執筆時点のものです。クラウドサービスのため、随時変更される場合がありますのでご注意ください。
1. Microsoft 365の種類の全体像

まず、Microsoft 365の種類について、全体像から確認しておきましょう。
1-1. 「Microsoft 365」は大きく分けて4種類
Microsoft 365は、大きく4種類に分かれています。
【Business】中小企業向け(一般法人向け) 【Enterprise】大企業向け 【Personal / Family】個人向け / 家庭向け 【Education】教育機関向け |

中小企業向け(一般法人向け)のBusinessプランと、大企業向けのEnterpriseプランの大きな違いは、ユーザー数の制限です。
Businessプランは、300ユーザーまでという制限があるので、従業員数が300人以下の企業が対象となります。
Enterpriseプランは、ユーザー数の制限がありません。従業員数が300人を超える大企業向けのプランです。
1-2. 提供されているアプリの種類
Microsoft 365で提供されているアプリとサービスは、以下のとおりです。


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どのアプリが使えるかは、プランによって異なります。以下で見ていきましょう。
※注:教育機関向けプランの詳細は、公式サイト上で確認できなかったため、本記事では割愛します。
2. Microsoft 365【Business】中小企業向けプランで使えるアプリ一覧

まず、300ユーザー以下の制限がある、中小企業向けのBusinessプランから見ていきましょう。
次の4つのプランが用意されています。

出典:Microsoft「Microsoft 365 のすべてのプランを比較する」 ※2023年12月現在
2-1. Microsoft 365 Business Basic
¥750 ユーザー/月(税抜)の「Microsoft 365 Business Basic」で使えるアプリは、以下のとおりです。

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出典:Microsoft「Microsoft 365 のすべてのプランを比較する」 ※2023年12月現在
Business Basicプランは、安価でお得に見えますが、Word・Excel・PowerPoint・Outlookのデスクトップ版は含まれない点に注意が必要です。
パソコンにWordやExcelをインストールして使用したい場合には、他のプランにするか、別途、買い切り型のOffice 2021などを購入する必要があります。
2-2. Microsoft 365 Business Standard
¥1,560 ユーザー/月(税抜)の「Microsoft 365 Business Standard」で使えるアプリは、以下のとおりです。

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出典:Microsoft「Microsoft 365 のすべてのプランを比較する」 ※2023年12月現在
Business Standardプランは、Word・Excel・PowerPoint・Outlookがデスクトップ版で使えるため、実用性の高いおすすめプランとなっています。
2-3. Microsoft 365 Business Premium
¥2,750 ユーザー/月(税抜)の「Microsoft 365 Business Premium」で使えるアプリは、以下のとおりです。

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出典:Microsoft「Microsoft 365 のすべてのプランを比較する」 ※2023年12月現在
前述のBusiness Standardプランと比較すると、こちらのBusiness Premiumプランは、「Intune」と「Azure Information Protection」が増えているのが特徴です。
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Intuneはデバイス管理が必要な企業向け、Azure Information Protectionは機密情報を持つ企業など情報保護やコンプライアンスを重視する企業向けのアプリです。
両者とも、セキュリティを強化するニーズに対応するアプリといえます。
機密性の高い業務、顧客情報の管理、規制対象の業種 (医療、金融サービス、法律サービスなど)の場合は、Business Standardプランよりも、こちらのBusiness Premiumプランが推奨されます。
2-4. Microsoft 365 Apps for business
¥1,030 ユーザー/月(税抜)の「Microsoft 365 Apps for business」で使えるアプリは、以下のとおりです。

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出典:Microsoft「Microsoft 365 のすべてのプランを比較する」 ※2023年12月現在
Apps for businessプランには、TeamsやSharePointといった、情報共有・社内コミュニケーションを円滑にして組織の生産性を高めるクラウド型サービスは付随していません。
従来のOfficeアプリ(Word・Excel・PowerPointなど)を、Office 2021のような買い切り型ではなく、サブスクリプション型で利用したいというニーズに応えるプランとなっています。
3. Microsoft 365【Enterprise】大企業向けプランで使えるアプリ一覧

ユーザー数の制限がなく、大企業向けであるEnterpriseプランは、3つの系統に分かれています。
- Microsoft 365 E3 / E5 / Apps for enterprise
- Office 365 E1 / E3 / E5(*1)
- Microsoft 365 F1 / F3(*2)



出典:Microsoft「Microsoft 365 Enterprise のプランの比較」 ※2023年12月現在
*1:Microsoft 365 と Office 365の違いについては、Microsoft公式では、以下のとおり解説されています。
Microsoft 365 と Office 365 の違いを説明します。Microsoft 365 は、クラス最高の生産性向上アプリに高度なデバイス管理、インテリジェントなセキュリティ、革新的なオンライン サービスを組み合わせて一つにまとめた、クラウドベースのサービスです。Office 365 には Outlook、Word、Excel、PowerPoint などのアプリに加えて Exchange、OneDrive、SharePoint、Microsoft Teams などのサービスが含まれています。
出典:Microsoft「大企業向け Microsoft 365 E3 と Office 365 E3 の比較」
*2:「F1」「F3」の“F”は「フロントラインワーカー」のFであり、建設や小売などの現場で働く方の利用を想定したプランとなっています。Fプランは「製造」「店舗」現場作業や接客業務などを担当している「専用PC」を所持しないユーザーを対象としているため、コストも少額な分、機能は限定的となります。
それぞれのプランで使えるアプリは、以下で見ていきましょう。
3-1. Microsoft 365 E3
¥4,500 ユーザー/月(税抜)の「Microsoft 365 E3」で使えるアプリは、以下のとおりです。

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出典:Microsoft「Microsoft 365 Enterprise のプランの比較」 ※2023年12月現在
Microsoft 365 E3プランには、Microsoft 365が提供するほとんどのアプリ・サービスが含まれています。
前述のBusinessプランと大きく異なるのは、
- ローコードアプリケーション開発の「Power Apps」
- 業務プロセス自動化の「Power Automate」
- インテリジェントなチャットボット「Power Virtual Agents」
が含まれることです。
これらは、業務のDX化を推進するうえでは重要な鍵となる、高度なツール群です。
次にご紹介する、より上位のE5プランと異なるのは、こちらのE3プランには高度なセキュリティとコンプライアンスの機能と、ビジネス分析ツールである「Power BI」が含まれていない点です。

出典:Microsoft「Power Platformパートナーソリューションガイド 2022年10月版」より作成
3-2. Microsoft 365 E5
¥7,130 ユーザー/月(税抜)の「Microsoft 365 E5」で使えるアプリは、以下のとおりです。

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出典:Microsoft「Microsoft 365 Enterprise のプランの比較」 ※2023年12月現在
前述のとおり、E3プランと比較すると、こちらのE5プランは「Power BI Pro」が含まれることが特徴です。
ただし、E5とE3の価格差は、使えるアプリの差だけではありません。高度なセキュリティとコンプライアンスの機能や、電話会議 (出席者最大 1,000 人)が付随していることにもよります。
3-3. Microsoft 365 Apps for enterprise
¥1,500 ユーザー/月(税抜)の「Microsoft 365 Apps for enterprise」で使えるアプリは、以下のとおりです。

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出典:Microsoft「Office 365 Enterprise の価格とプランの比較」 ※2023年12月現在
Apps for enterpriseプランには、TeamsやSharePointといった、組織の生産性を高めるクラウド型サービスは付随していません。
前述のApps for businessプランと同じく、従来のOfficeアプリ(Word・Excel・PowerPointなど)を、買い切り型ではなく、サブスクリプション型で利用したいニーズに応えるプランとなっています。
3-4. Office 365 E1
¥1,250 ユーザー/月(税抜)の「Office 365 E1」で使えるアプリは、以下のとおりです。

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出典:Microsoft「Office 365 Enterprise の価格とプランの比較」 ※2023年12月現在
Office 365 E1プランは、前述のApps for enterpriseとは逆に、Word・Excel・PowerPoint・Outlookといった、いわゆるOffice系アプリが含まれないことが特徴です(Office 365の名称から誤解しやすいので、ご注意ください)。
その代わりに、TeamsやSharePoint、PowerAppsといった業務効率化のアプリが含まれています。
「WordやExcelなどはすでに導入済みで、不足分のアプリだけリーズナブルに追加したい」というニーズに応えるプランといえます。
3-5. Office 365 E3
¥2,880 ユーザー/月(税抜)の「Office 365 E3」で使えるアプリは、以下のとおりです。

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出典:Microsoft「Office 365 Enterprise の価格とプランの比較」 ※2023年12月現在
E3では、Word・Excel・PowerPoint・Outlookのアプリが使えるようになります。
また、前述の Microsoft 365 E3と比較すると、以下の違いがあります。

出典:Microsoft「大企業向け Microsoft 365 E3 と Office 365 E3 の比較」より作成
※2023年12月現在
Office 365 E3には「Delve」があり、Microsoft 365 E3には「Microsoft Lists」「Visio」「Windows」があります。
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Microsoft 365 E3 のほうがよりセキュリティレベルが高いという特徴に加えて、Microsoft 365 E3は大企業向けのWindowsが提供されることが大きな違いといえます。
3-6. Office 365 E5
¥4,750 ユーザー/月(税抜)の「Office 365 E5」で使えるアプリは、以下のとおりです。

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出典:Microsoft「Office 365 Enterprise の価格とプランの比較」 ※2023年12月現在
前述のOffice 365 E3とこちらのE5の違いは、ビジネス分析ツールである「Power BI」の有無です。
この関係は、Microsoft 365 E3・E5も、Office 365 E3・E5も、同じになっています。

出典:Microsoft「Power Platformパートナーソリューションガイド 2022年10月版」より作成
3-7. Microsoft 365 F1
¥280 ユーザー/月(税抜)の「Microsoft 365 F1」で使えるアプリは、以下のとおりです。

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出典:Microsoft「フロントライン ワーカー向け Microsoft 365 のプランと価格」 ※2023年12月現在
Microsoft 365 F1は、オフィスワーカーではなく、現場のフロントラインワーカーを対象として、機能を絞っているため、コストパフォーマンスのよい設計になっています。
たとえば、Word・Excel・PowerPoint・OneNoteが含まれていますが、デスクトップ版ではなくWeb版・またはモバイル版でしか利用できず、しかも読み取り専用となります。
一方、「Microsoft Bookings」のように、現場で有用なアプリが含まれています。Bookingsは、顧客の予約受付や予約の変更、キャンセル手続きなどの予約管理をオンライン上で簡単に行えるアプリです。
出典:Microsoft「Microsoft Bookings で予約管理をシンプルに! 概要や使用法を解説」
3-8. Microsoft 365 F3
¥1,000 ユーザー/月(税抜)の「Microsoft 365 F3」で使えるアプリは、以下のとおりです。

以下がF3で追加されるアプリ:
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出典:Microsoft「フロントライン ワーカー向け Microsoft 365 のプランと価格」 ※2023年12月現在
F1と比較すると、F3ではWord・Excel・PowerPoint・OneNoteアプリを読み取り専用ではなく、利用できます(Web版とモバイル版のみ)。
また、上記リストで見ると、Outlook以下のアプリが追加されています。
独自アプリ開発やワークフローの自動化ができる、以下のアプリを利用できることが、大きな差です。
- ローコードアプリケーション開発の「Power Apps」
- 業務プロセス自動化の「Power Automate」
- インテリジェントなチャットボット「Power Virtual Agents」
4. Microsoft 365【Personal / Family】個人または家庭向けで使えるアプリ一覧

最後に、一般ユーザー向けである「Personal」と「Family」で使えるアプリを見ていきましょう。
結論から先にお伝えすると、PersonalとFamilyで使えるアプリはまったく同じです。
4-1. Microsoft 365 Personal
¥1,490/月(税込)の「Microsoft 365 Personal」で使えるアプリは、以下のとおりです。

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出典:Microsoft「すべての Microsoft 365 プラン (旧 Office 365) を比較」 ※2023年12月現在
4-2. Microsoft 365 Family
¥2,100/月(税込)の「Microsoft 365 Family」で使えるアプリは、前述のPersonalとまったく同じです。

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出典:Microsoft「すべての Microsoft 365 プラン (旧 Office 365) を比較」 ※2023年12月現在
PersonalとFamilyの違いは、ユーザー数になります。Familyプランであれば、最大6名まで使用可能です。
5. まとめ
本記事では「Microsoft 365で使えるアプリ」をテーマに解説しました。
企業のご担当者様で、「どのアプリが必要かわからない」という場合や、「どのプランにすればよいか、判断が難しい」という場合には、お気軽に弊社クエストへご相談ください。
Microsoftの認定資格者が多数在籍しており、具体的なアドバイスが可能です。

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