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データドリブンとは

データドリブンという言葉を聞いたことがあるでしょうか?データドリブンとは、蓄積されたデータに基づき、経営戦略や企画を立案すること。先に述べたように、あらゆるものがITとつながることでこれまでとは比較できないほど多様なデータが集まる現代では、このデータを活用することが企業活動の鍵となります。
こうしたトレンドを鑑みて、クエストでもデータ分析の手法についておよそ1年前から学びを重ねてきました。
クエストが得意としている半導体産業をモチーフとして以下のような方法を実践しました。

 

  • 半導体会社におけるデータ分析の実情調査
  • 基礎となる統計学の研究
  • データ分析ツールであるSpotfire🄬(スポットファイア)を活用した分析方法の学習
  • データ分析の次のステージとして、機械学習の研究

  

クエストではデータ分析を行うにあたり、現在半導体会社でどのようなデータ分析が行われているのか、その実情のリサーチを行っています。それに伴い、データ分析を行う上で欠かせない統計学やAIなどを用いた機械学習の手法についての研究に取り組んでいます。
中でも、分析の要となるツールとしてSpotfire🄬の活用に力を入れています。

Spotfire🄬はデータ分析・可視化を行うBIツールの一種です。Spotfire🄬の場合、特にデータをわかりやすいビジュアルとして表示することができるため、ビジュアライゼーションツールとも呼ばれています。

しかし、ここまでの学習を経て気付いたことは、データ分析を本格的に導入していくためには、データ分析の実証実験が必要だということでした。

データ分析 ~クエスト社内での取り組み~

データ分析のサービス化に向けて実際のデータを用いた実証実験の必要性を痛感した我々は、クエスト社内のデータを用いた実証実験という新たな試みへ移行しています。
具体的には自社に蓄積されたデータを活用して、Spotfire🄬によるデータ分析を行うのですが、以下のように実践するためのアプローチを定義し、実践しています。

実践するためのアプローチを定義

1:課題定義

今回は「パートナーの単価は上昇しているのでは?」について、データ分析の主題として定義しました。

2:課題解決の仮設設定

課題の証明のため、以下のような仮設を立てました。
過去6年間における事業部別の単価を調査し、グラフ化し単価の上がり下がりの傾向を把握します。

3:データの現状調査

現在、社内にあるデータの現状整理からスタート。パートナーの単価データは事業部ごとにエクセルでバラバラに管理されており、一部データの入手が困難な状態でした。
そのため、さらに調査をすすめ、パートナーごとの支払いデータがあったため、そちらを利用し、分析を行うことにしました。

4:分析

Spotfire🄬を用いてデータ分析を行い、パートナー単価の傾向をビジュアル化。
グラフは年度ごと、事業部ごとの平均値を算出した結果とし、ここからさらに統計的に平均値検定を行い、年度ごとに差があることを証明しました。

データ分析

5:結果まとめ

ここまでの実証実験を行った上で気付いたことは、第一にデータ収集の重要性です。今回、単価データをすべて収集することが難しく、支払データを用いてデータ分析を行いましたが、目的とするデータの収集自体がデータ分析の精度に大きく関わってくるので、生データの重要性は非常に高くなってくると思われます。また、社内データだけでもデータ件数が6年間で数十万件に及ぶほど膨大になりました。こうした膨大なデータを高速で処理できるSpotfire🄬は非常に心強いツールといえることがわかりました。

データの分析のさらなる発展と展望

データ分析のサービス化に向け、クエストではSpotfire🄬の学習についてはほぼ終えています。今後はデータ活用に必要な機械学習についてさらなる研究を重ね、早期のサービス化を目指していきます。

データ活用の分野としては、ロングスパンでの生産を行う半導体メーカーやヘルスケア、電力会社におけるデータ分析の活用を目指しています。例えば、半導体業界のお客様に対しては、現在でも行われている製造装置の異常値解析や、歩留りの解析などをご支援することができると考えています。
もちろん、既存のお客様や、さまざまな業種に対しても対応できるよう、準備を進めてまいります。

また、データ分析では、機械学習の知識は必要不可欠ですが、さまざまな業種に対応していくためには、その企業の事業形態をしっかり把握するための情報、ドメイン知識も必要です。
業種・業態ごとにおける仕事の流れや、問題が発生しやすい状況など前提となる知識が無ければ課題を設定することが困難です。
課題を設定できたとしても、課題解決に必要なデータがどこにあるのかを把握することは困難であるとともに、その企業にフィットした解決策を提示することはできません。
クエストはこれまで半導体事業はもちろん、金融や大手クライアントの課題を解決してきた実績があります。さらに、それぞれの現場を知りぬくスタッフとチームが存在し、種類も情報量も豊富なドメイン知識を有しています。
こうした知識とデータ分析の実証実験の結果を元に、半導体業界では製品開発部門や製造部門、金融業界に対しても、新たにAI活用を推進していけることを目標に今後も研鑽を積み重ねていきたいと思っています。

サービス化の暁には、データ社会となった現代における、新たな課題解決を提案したいと思いますので、これからのクエストに、ぜひご期待ください。