近年、システム開発・運用に関するコストや効率化を図る手段として、自社拠点から比較的地理的に近い場所のSIerの地方拠点に業務を委託(アウトソーシング)する「ニアショア」が脚光を浴びていました。今、ニアショア開発・運用がまた注目を集めはじめていますが、その理由はどこにあるのでしょうか。そして、ニアショアの活用で企業にはどのようなメリットがあるのか。ニアショアの最新動向と、クエストが提供するサービスの優位性について解説します。

テレワークの普及でニアショアに注目オフショアとの違いとは?

昨今の働き方改革の推進をはじめ、新型コロナウイルス感染拡大防止を目的としたテレワークやWeb会議の普及に伴い、これまでは「オフィスに常駐していなければできない」と思われていた業務が、「オフィス外や地理的に離れた拠点でも行える」ということに多くの企業が気付き始めています。加えて、多くの企業がオフィス内で業務を行うことが困難となっている中、地方の外部リソースの活用により、システムの運用や開発に関するコストの削減と効率化を促進する「ニアショア」に改めて注目が集まっています。

これまでも開発・運用業務のアウトソーシングでは、人件費や固定費の安価な海外の事業者に委託する「オフショア」が多くの企業によって行われてきました。しかし、オフショア開発・運用では、言語や文化、ビジネス慣習や労働環境の違いから様々な問題に直面するケースも少なくありません。コミュニケーションの齟齬による納期の遅れや、不十分な品質要件などはその一例です。

また、コスト削減を目的にオフショア開発・運用を行っていたものの、近年では委託先となっている国や地域の人件費が高騰しており、必ずしもコスト的なメリットを享受できなくなっています。

            

DXの推進にも有効、様々なメリットをもたらすニアショア

こうした背景からも、ニアショアが改めて注目を集めています。コスト削減の観点でいえば、ニアショアを利用すれば開発・運用スタッフを自社オフィス内に常駐させる必要がないので、固定費や光熱費の削減にも繋げられます。このほかにも、DR(災害対策)/BCP(事業継続計画)の観点からも、ニアショアを活用することにより、万が一の災害発生時にも業務を停止させない環境を実現できるようになります。

近年では、多くの企業が喫緊の取り組み事項として掲げる「デジタル変革(DX)」を推進させる施策としても、ニアショアがクローズアップされています。開発や運用といった実業務はアウトソーシングし、自社IT部門の社員はビジネスを成長させるためのIT戦略の立案や企画、DX化といった「コア業務や戦略的な業務に専念させたい」というニーズが高まっているからです。



開発から運用までをトータルでサポートするクエストのニアショアサービス

クエストは、宮城県仙台市に拠点を構える東北支社を中心に、長年にわたって大手製造業の生産管理システムの開発と運用保守のアウトソーシングを手掛けてきました。そうした実績と豊富な経験に基づき、高品質かつ多彩なメニューを揃えたニアショアサービスを提供しています。

当社が提供するニアショアサービスのメニューは、大きく「ベーシックサービス」と「アディショナルサービス」の2つが用意されています。ベーシックサービスは問い合わせ対応をはじめ、障害対応、システムメンテナンス、モニタリングなど一般的なシステム運用保守に関するサービスを提供するものです(表1)。

表1 「ベーシックサービス」の概要



一方、アディショナルサービスは、ベーシックサービスの範疇に収まらない要件に対応するものです。通常の運用保守の範疇を超えた調査依頼や課題解決、さらには既存システムの改修や追加での機能拡張が含まれています。他社が開発したシステムについても、きめ細かな運用保守対応が行えることに加え、カスタマイズなどの機能拡張にも対応できる点が大きな特長です(表2)。

表2 「アディショナルサービス」の概要

独自のKTプロセスにより円滑な引き継ぎと運用の可視化を実現

他社が開発したシステムの運用保守やカスタマイズにも対応するために用意しているのが、クエスト独自の「KT(Knowledge Transfer)プロセス」です(図2)。


図2 KTプロセスの概要

一般に、他社開発システムの運用を引継ぐには、多くの作業と苦労が伴います。引き継ぎ範囲の明確化や必要なドキュメントの整備、スケジュールの策定などはその一例です。また、運用保守の引継ぎを契機として、これまで属人化していた運用保守業務を改善したい、という要件が挙げられるケースも少なくありません。


そうした課題や要件に応えるのが、KTプロセスです。これは、運用保守の引継ぎフローを定めるとともに、詳細に定義された引継ぎ項目を柱として、ナレッジを整理、見える化することで、短期間での確実な引継ぎを可能とするものです。既存の運用保守業務の状況や必要な作業が棚卸されることで情報も共有化されるので、業務の属人化の解消にも繋げられます。


クエストのニアショアサービスで運用保守を集約。迅速なトラブル対応とコスト削減を実現

このほか、開発・運用の利用時に不安視されるセキュリティについても、万全の体制を整えています。例えば、お客様システムへの接続については、VPNを用いたセキュアなアクセスが行われるだけでなく、シンクライアントシステムの利用により、当社側にお客様のデータを保持することは一切できなくすること、また、お客様ごとに業務を行う部屋も区分けして施設面でも機密保持を図ることなどです。


クエストのニアショアサービスを活用し、様々なメリットを得られた事例を紹介しましょう。大手電機メーカの情報システム子会社のA社様は、親会社の生産管理システムの運用保守を担っていましたが、アウトソース先が複数ベンダーに分かれていたため保守拠点が全国各地に分散し、障害時の迅速な対応に課題を抱えていました。そこでクエストのニアショアサービスに運用保守を集約。迅速なトラブル対応が可能となったほか、首都圏の拠点で運用保守を行った場合と比べて、コスト面でも削減を実現しています。


これまで説明してきたように、ニアショアを活用することで、システム開発・運用業務に関するコスト削減や効率化、さらにはDX化などの戦略的な業務を加速させることが可能となります。


さいごに

クエストはこれまで培ってきた経験と実績、ノウハウを基に、企業の多様なニーズに応えるニアショアサービスを提供しています。さらに、クエスト全社の総合力を活かした提案やインテグレーションを行えることも強みであり、既存システムの運用保守にとどまらず、他部門との連携により、インフラからアプリケーション、クラウドサービスの活用まで、お客様のシステム構築ニーズを全面的に支援することが可能です。


コスト削減やコア業務、戦略的業務(DX化検討など)に集中したいためにニアショアを活用することを検討されているのであれば、ぜひ一度、当社にお声がけください。


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