電設資材メーカー様では、お客様からの問合せに備え、組立後の製品品質や添付品有無等を含めた荷姿をデジタルカメラで写真撮影して保管していました。出荷前のエビデンスとして写真保管は有効ではあったものの、以下が改善課題となっていました。
①製造番号との紐付け作業が出来ておらず、管理が煩雑になっている。
②そのため、いざお客様からの問合せが発生した際もスムーズに対応する事ができない。

課題と経緯

エビデンスの「保管」と「検索」をもっと容易に

電設資材メーカー様の情報システム部では、製品写真「保管」と「検索」の工数削減についてユーザ部門から改善依頼と新しいIT活用による新システム構築を求められていました。現在の業務フローや製造ラインへの影響を最小限に抑え、「簡単保管」と「簡単検索」を実現するシステムを主要テーマに提案依頼をしました。

また、標的型攻撃の踏み台になったり、大切な製品写真を漏えいする事が無いよう、セキュリティにも配慮した仕組みであることがソリューションとしての新システムに求められている事は明らかでした。

導入

スマートデバイス活用で既存システムへの影響を最小に

同社は、数社に提案依頼を実施。要件実現性のみならず、保守性やランニングコストについても比較検討。ブラウザを介さず脆弱性の少ないiOSネイティブアプリによる「簡単保管」でセキュリティにも配慮し、製造番号(Code39バーコード)を読み込み紐付けることにより検索キーとすることで、「簡単検索」を実現したクエストの提案を採用。製造ラインやそれまでの運用をほぼ変えず新システムに移行できました。

電設資材メーカーの製品写真保管システム開発

効果と展望

製造現場もスマートデバイスでカイゼンできます

紐づけられた製造番号を検索キーとすることで、画像が見つけやすくなり、お問合せのお客様を待たせる事がなくなったのは大きな効果として評価されました。エビデンスの提示により、お客様との認識齟齬もスムーズに解決できるようになっています。

エンドユーザからも「保管・検索がかなり便利になった」と好評をいただき、情報システム部としてもご満足いただけました。

スマートデバイスが世に出て久しいですが、ビジネスの現場への本格活用はこれから。IoT、AI等のデジタル変革のなかで、現場におけるIT活用の有力なデバイスとして、更に活用推進が検討されています。