対処すべき課題

我が国経済の雇用情勢や所得環境は改善傾向にあり、緩やかな回復基調が見込まれる一方、世界的な金融引締めや中国経済の停滞など海外景気の下振れの影響が懸念されるなど、依然として先行きの不透明な状況が継続しており、今後も顧客企業の経営状況によっては新規案件の獲得遅延やIT投資抑制の動きが予想されます。

このような状況下において、当社は、 顧客産業ポートフォリオにおける市場の変化を的確に捉え、かつ、 デジタル化の需給バランスにスピード感をもって対応することにより、 収益の維持・拡大に努めていきます。


また、 Quest Vision2030実現に向け、 第2期中期経営計画 (2024-26年度) の始動にあたって、 2024年4月より組織体制を再構築しました。 新しい体制の下、 全社一丸となって目指すゴールを共有し、収益性の向上、 営業力の強化、技術・ソリューションの育成、リソースの高流動化等を図ることで、さらなる企業価値の向上と事業強化に取り組んでいきます。

①ITプロフェッショナル人材の獲得と育成

高度IT人材の獲得競争が激化する中、 事業のさらなる変革と発展のためには豊富な専門知識と高度なスキルを有する人材を確保することがより一層重要になっています。 社員の積極的な採用活動に加えて、ビジネスパートナーとの戦略的なアライアンスを推進し、 人材の獲得に努めていきます。
また、高度なIT技術を有する社員に対する社内認定制度QCAP (※1) 等の運用や、 技術者が自分に適したキャリアを選択し成長できる環境と仕組みの整備等、 社員がその能力を十分に発揮し成長するための教育投資を計画的かつ継続的に取り組んでいきます。

※1:Quest Certified Advanced IT Professionals

②新規サービス・ソリューションの育成

IT業界は技術の多様化と進展が著しいという特徴を有しています。 当社においては顧客産業にフォーカスした事業本部・事業部を編成し、 顧客業界への深い理解とIT活用ニーズの把握により、 高度化・多様化する顧客ニーズに遅滞なく追随していきます。
また、技術・ソリューションの全社横断的な育成と立ち上げを目指し、 2024年4月よりソリューションデザイン部を新設しました。 技術人材の開発と、 回収が見込める新規技術投資の選択と実行を担い、 新しい技術領域の規模拡大と高付加価値化に向けて取り組んでいきます。

③企業価値向上に向けた取り組みの強化

今後持続的な成長とともに、 より高い収益性とより誇りを持てる社会的存在意義を有し、 あらゆるステークホルダーに対して企業価値の創造と向上、 技術による貢献 (Social Value) を約束します。 当社では全社的な中長期経営目標を策定し、 その中で企業価値向上のストーリーをQCSV (※2)として掲げています。 2030年度に企業価値250億円超を達成すべく、 その実現に向けて新規ビジネスの創出やIT人材の育成、重点領域への投資等を含む収益性の向上に取り組んでいきます。
当社は創業以来、 株主様、 お客様、社員、パートナー様、 社会等、 全てのステークホルダーに対して常に誠実堅実であることを経営方針としています。 今後もCGCとCSV経営を重視し、透明性の高い経営を継続し、ITによる社会課題の解決、 さらに一層の企業価値の向上と持続的成長のために邁進していきます。

※2:QCSV Quest Creating Shared Value